ここでは、テレビコンセント(端子)の選び方を紹介します。
分配配線方式と送り配線方式
出典:パナソニック
まず、テレビコンセント(端子)を交換したり新しく取り付けたりする際に確認することがあります。
それは、自宅が「分配配線方式」あるいは「送り配線方式」なのかということです。
ちなみに、分配配線方式は「スター配線」といった呼び方もされます。
送り配線方式は「直列ユニット」とも呼ばれます。
最近だと「分配配線方式」が多い、といったことが言われていますが、送り配線方式もあるために注意しなければなりません。
分配配線方式
出典:マスプロ(カタログ)
分配配線方式の場合には、戸建て住宅などに多く「分配器」と呼ばれる機器から、各部屋へと「テレビ端子」が配線されています。
分配器➡分岐器➡テレビ端子、と配線してある場合もあります。
送り配線方式
出典:マスプロ(カタログ)
送り配線方式の場合には、マンションなどに多く「分配器」から各部屋へと「直列ユニット(送り配線用)の端子」が配線され、これを経由して下の階に➡直列ユニット(送り配線用)➡直列ユニット(端末用)などと配線されます。
ちなみに「送り配線用」は、「中継用」とも呼ばれます。
デンキさん
電源挿入型、電流通過形、電流カット型
テレビコンセント(端子)の種類には、「電源挿入型」「電流通過形」「電流カット型」などがあり、複雑です。
これらのテレビ端子には、どのような違いがあるのか、どういった際に使用、選定するのかについて紹介します。
電源挿入型
「BS/110度CS放送(衛星放送)」を視聴するには、「BS/110度CSアンテナ」や 「電源分離型ブースタ」に「DC15V」電源を供給する必要があります。
出典:パナソニック
「電源挿入型」とは、BSチューナー(テレビ、ビデオ、DVDレコーダー)やブースター(電源部)から、テレビコンセント(端子)を通り、「BS/110度CSアンテナ」あるいは「ブースター(増幅部)」へと、DC15V の電気を流せるタイプのテレビ端子のことを「電源挿入型」と呼びます。
「電源挿入型」は、DC15Vの電気をテレビ側からテレビ端子に流す場合に使用します。
デンキさん
テレビ端子を製造するメーカー
テレビ端子を製造するメーカーによっては、カタログなどの表記に違いがありますので注意する必要があります。
仮に「電源挿入型」であったとしても、パナソニックでは「電流通過形」、DXアンテナでは「通電仕様」と記載されているので、電流経路をよく確認する必要があります。
マスプロだと「電源挿入型」と記載されています。
電流通過形
パナソニックのカタログを見ていると、テレビ端子に「電流通過形」と記載されているのが目につきます。
電流通過形とは、いわゆるDC15Vの電気が流れるかどうかということのようです。
そして、入力端子と、TV接続口の間で電流が通過するものを「電源挿入型」という言い方をする場合があるとのことですが、カタログなどには電流通過形としか記載されていません。
「電源挿入型」を選びたいときには、DC15Vが流れる電流経路をよく確認する必要があるのです。
通電しない(電流カット型)タイプ
テレビ端子には、電気を流すことができない「通電しない(電流カット型)」タイプのテレビ端子もあるので、選定する際には注意する必要があります。
出典:マスプロ(取扱説明書)
「通電しない(電流カット型)」タイプのテレビ端子を選定する場合には、ブースター電源(DC15V)をテレビ側から送らず、ブースター(本体)から電源(DC15V)を供給できるものを使用している場合です。
このような電源一体型のブースターは、マンション、アパートなどの集合住宅で使用していることが多いです。
出典:マスプロ(取扱説明書)
他にも、分配器を「1端子電流通過形」で使用している場合に、通電しないカ所に「通電しない(電流カット型)」タイプのテレビ端子を選定する事があります。
デンキさん
➡テレビコンセント(端子)の通電するタイプ(電源挿入型)と通電しないタイプの違い
テレビコンセント(端子)と分配器
テレビコンセント(端子)を新しいタイプのものに入れ替えたのに、なぜかBS/110度CS放送(衛星放送)を視聴できない場合があります。
そうした場合には、テレビ端子に電波を分配している分配器に原因があることがあります。
1端子電流通過形
出典:パナソニック
分配器には「1端子電流通過形」と「全端子電流通過形」がありますが、これが「1端子電流通過形」タイプですと、上記の図のように部屋1のBSチューナー内蔵テレビの電源などを落としてしまうと、部屋2ではBS/110度CS放送(衛星放送)を視聴できなくなってしまうのです。
さらに、分配器が部屋1のみからDC15Vの電気を流す「1端子電流通過形」であるために、部屋1のテレビ端子は「電源挿入型」でなくてはなりません。
これを間違えて、部屋1に「通電しない(電流カット型)タイプ」のものを取り付けてしまうと、BS/110度CS放送(衛星放送)を視聴することができませんので注意が必要です。
全端子電流通過形
出典:パナソニック
一方で、分配器が「全端子電流通過形」だと、どの部屋からでも衛星アンテナへとDC15Vの電気を流すことが可能なので、各部屋のテレビ端子は「電源挿入型」を使用します(分配配線方式の場合)。
そうすることで、部屋1のBSチューナー内蔵テレビの電源を落としたとしても、部屋2から電気(DC15V)が供給されているので、BS/110度CS放送(衛星放送)を部屋2では、視聴することができます。
ちなみにですがこの場合には、電気(DC15V)を複数の部屋から送っても大丈夫なのです。
電源分離型ブースターを取り付けた場合
「全端子電流通過形」の分配器を使用している状態で、「電源挿入型」のテレビ端子を複数の部屋で使用している場合に、後から「電源分離型ブースター」を設置し、テレビ端子を通して電気(DC15V)をブースター(増幅部)に送る場合には、ブースター電源部以外の電源供給機能はOFFにしておきます。
ブースター電源部は、壁コンセントから電源(AC100V)をとっているために、常時電気(DC15V)を供給することができるからです。
4K8Kに対応するテレビコンセント(端子)の選定
では、「分配配線方式」「送り配線方式」「電源挿入型」「電流通過形」「通電しない(電流カット型)」「分配器(1端子電流通過形)(全端子電流通過形)」を理解したところで、次は、テレビコンセント(端子)の選定を行います。
分配配線方式
まず分配配線方式の場合には、単純に「分配配線方式」と書かれた物を選びます。
●施工が簡単なタイプ
出典:パナソニック(カタログ)
パナソニックだと4K8K放送にも対応する「ホーム用高シールドテレビターミナル(WCS3013W)」が、施工も簡単な為にめんどくさがりな方にオススメとなります。
出典:パナソニック(カタログ)
パナソニックの4K8Kに対応するテレビ端子は、10~3224MHzまでの広帯域に対応します。
WCS3013W(電源挿入型) |
デンキさん
●F型接栓タイプ
出典:パナソニック(カタログ)
逆に施工は難しいのですが、高シールド設計で妨害ノイズを遮断する、4K8K放送対応の
「高シールドテレビターミナル(WCS3814W)」も良いです。
F型接栓での取り付けが可能な方は、こちらが良いですね。
WCS3814W(電源挿入型) |
デンキさん
●分配配線方式の通電しない(電流カット型)テレビ端子
出典:マスプロ(取扱説明書)
パナソニックではないのですが、
マスプロの「DWKT-B」だと、4K8Kに対応する「通電しない(電流カット型)」タイプのテレビ端子になります。
DXアンテナの「SU72S」も4K8Kに対応する「通電しない(電流カット型)」タイプのテレビ端子になります。
「DWKT-B」と「SU72S」は、通電しないタイプ(電流カット型)なので、BSチューナー(テレビ、ビデオ、DVDレコーダー)を接続した際には、テレビ端子に通電しないようにします。
送り配線方式(直列ユニット)
送り配線方式の場合も同様に「送り配線方式」のテレビコンセント(端子)を選びます。
ただ、送り配線方式(直列ユニット)の場合には、「中継用・送り配線用」「端末用」とあるので、取り付ける(交換)場所が「中継用・送り配線用」なのか「端末用」なのかを確認して、同様のものを取り付けます。
デンキさん
●施工が簡単なタイプ
WCS4711W
「中継用・送り配線用」 (電流通過形) |
デンキさん
WCS4712W
「端末用」 (電源挿入型) |
●F型接栓タイプ
WCS4811W
「中継用・送り配線用」 (電流通過形) |
デンキさん
WCS4812W
「端末用」 (電源挿入型) |
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