ここでは、Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]の使用レビューを紹介します。
Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]の特徴
用途
Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]は、CAT.Ⅱ 1000V、CAT.Ⅲ 600V範囲内の測定に使用できます。
仕様
動作方式 Δ-Σ方式 交流検波方式 平均値方式 液晶表示器 4000カウント サンプルレート 約3回/秒 レンジ切り替え オート及びマニュアル(一部マニュアルまたはオートのみ) オーバー表示 数値部に"OL"を表示(DC/AC1000V、10Aを除く) 極性表示自動切換 マイナス入力時に"ー"のみ表示 電池消耗警告 約2.4V以下でバッテリーマークが点灯または点滅 使用環境条件 高度2000m以下・環境汚染度Ⅱ 動作温度/湿度 5℃~40℃湿度は下記のとおりで結露のないこと 5℃~31℃で80%RH(最大)、31℃以上40℃では80%RHから50RHへ直線的に減少
保存温度/湿度 -10℃~40℃,80%RH以下 結露のないこと 40℃~50℃,70%RH以下 結露のないこと
(長時間使用しない場合は内蔵電池を外して保存すること)
電源 単3電池(R6) 2本 電池寿命 DCVにて連続、約400時間(オートパワーオフ解除時) オートパワーオフ 最終操作から約30分後に電源オフ 使用ヒューズ 0.5A/1000V、遮断容量30kA 10A/1000V、遮断容量30kA
安全規格 IEC61010‐1、IEC61010‐2‐030 CAT.Ⅲ 600V、CAT.Ⅱ 1000V
IEC61010‐031
EMC指令 IEC61326 寸法 166(L)×82(W)×44(D)㎜(突起部含まず) 質量 約360g(電池込み) 消費電力 代表値4.5mW(DCVにて) 付属品 テストリード (TL‐23a)、取扱説明書 別売品 アリゲータクリップ:CL‐11,CL‐13a,CL‐15a,CL‐DG3a,TL‐8IC クランププローブ:CL‐22AD,CL‐33DC,CL3000
高電圧プローブ:HV‐60
携帯ケース:C‐77,C‐77H
出典:取扱説明書
性能
直流電圧/DCV:400m/4/40/400/1000V
交流電圧/ACV:4/40/400/1000V
直流電流/DCA:400μ/4000μ/40m/400m/4/10A
交流電流/ACA:400μ/4000μ/40m/400m/4/10A
抵抗/Ω:400/4k/40k/400k/4M/40MΩ
コンデンサ容量/50n/500n/5μ/50μ/100μF
周波数/5/50/500/5k/50k/100kHz
導通チェック/導通ブザー発音及び導通ランプ点灯範囲:0Ω~85Ω(±45℃)で発音、点灯 開放電圧:約DC0.4V
ダイオードテスト/開放電圧:約DC1.5V
バッテリーチェック/概略値(30Ω負荷時) 1.5V電池専用
Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]
LEDが点灯する導通チェック機能と1.5Vバッテリーチェックレンジ付 大遮断容量ヒューズ搭載の安全設計
となっています。
CD771は、ポケットサイズのテスターに慣れた方なら、見た感じきっと大きいと思うかもしれませんが、ある程度の重量があるので、テストリードを多少動かしても本体が動くことがありませんので、卓上での作業には最適と思います(スタンドも付いてます)。
また各ボタンには、様々な機能が備わっています。
●SELECT(セレクト)ボタン
ファンクションの切り替えができます。
例:直流電圧➡交流電圧など
●DATA HOLD(データホールド/バックライト)ボタン
その時点の表示値を維持します。
2秒以上押すと、バックライトが点灯します。
●RANGE HOLD(レンジホールド)ボタン
オートレンジを解除して、マニュアルでレンジを設定することが可能です。
●RELATIVE(リラティブ)ボタン
押した時点の入力値を基準として、0と表示します。
例:
実際の入力値 | 表示器の数値 |
DC 30.00V | DC 00.00V |
DC 35.00V | DC 05.00V |
DC 25.00V | DC -05.00V |
「SELECT(セレクト)」ボタンと「DATA HOLD(データホールド/バックライト)」ボタンは、頻繁に使います。
一方で、「RANGE HOLD(レンジホールド)」ボタン、「RELATIVE(リラティブ)」ボタンは限られた人しか使わないでしょう。
その他、30分後には自動で電源が切れるオートパワーオフ機能もあります。
電池が切れそうになると警告してくれる機能もあり、多機能なテスターです。
ただ、日本製ではく中国製なことと、真の実効値(AC)測定には対応していないのがもったいないところではあります。
Sanwaの「CD732」と「CD772」
「CD771」と同じ価格帯のものに「CD732」がありますが、こちらは日本で作られているとのことで、性能もそれほど変わらないことからどちらを購入するか悩ましい存在です。
ただ、メイドインジャパンを求めるなら、CD732(バーグラフも付いています)がオススメですね。
もちろん、前述したどちらの機種も真の実効値(AC)測定には対応していないので、真の実効値(AC)測定に対応するものが良い場合には、上位機種の「CD772」がオススメと言えます。
使用感
Amazonで購入した「Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]」が届きました。
付属品には、
●テストリード(テスト棒 赤/黒)
●ヒューズ(内蔵)
●電池(内蔵)
●説明書
●検査合格証
が入っていました。
寸法
寸法については、
●166(L)×82(W)×44(D) ㎜
●質量:約360g(電池含む)
となっています。
液晶(バックライト)
液晶画面は大きく、数値が読みやすいです。
バックライト表示もできるので、暗闇での作業も可能です。
ただし、バックライトの光は、数値を読む程度の明るさしかないです。
ちなみに、バックライトは「DATA HOLD(データホールド)」ボタンと兼用で、2秒以上押すことで光りますが、兼用なので使いづらいと感じる事があります。
導通
導通は、ブザーとランプで知らせてくれます。
ブザーは、若干音が小さめです。
ボタン
・SELECT(セレクト)ボタン
・DATA HOLD(データホールド/バックライト)ボタン
・RANGE HOLD(レンジホールド)ボタン
・RELATIVE(リラティブ)ボタン
これら4種類のボタンは、押すごとに操作音が「ピッ」と鳴り、ランプが一瞬点灯し切れます。
テストリード
テストリードの全長は、107㎝あります。
テストリードは、黒が「-(COM)」で、赤が「+」です。
先端部分のキャップは、取り外しが可能です。
注意点として、電池負荷電圧測定、電流測定(μA/mA)を行う際にはテストリードの赤(+)を、右側にある測定端子(μA/mA/電池)に差し込んで使用します。
A測定時には、10A測定端子を使用します。
テストリードを収納する際には、背面部分にある収納部分を使用します。
この場合、巻き付けて収納するのが正しいのかは分かりませんが、こうするしか他に方法が思いつきません。
テストリードの断線や見栄えが気になる方は、専用の携帯ケース(C-77,C-77H)を購入するのが無難です。
ファンクションスイッチ
ファンクションスイッチは、大きいので使いやすいです。
ただ、交流測定、ダイオード測定、導通測定などを行う際には、レンジを切り替えたのちに「SELECT」ボタンで、ファンクションを切り替えないといけないので、若干めんどくさいです。
データホールド(DATA HOLD)
データホールド(DATA HOLD)ボタンを押すと測定した表示値を維持することができます。
測定値を記録したりする際に役立つ機能です。
スタンド
背面には、スタンドも付いています。
卓上での作業には重宝します。
電池交換及びヒューズの交換
電池の交換は、裏面にある1本のねじを外せば簡単にできます。
ヒューズの交換は、本体ケースを外さないとできないです。
●電池/単3電池(R6)2本
●ヒューズ
0.5A/1000V(ø6.35×32mm、遮断容量30kA)
10A/1000V(ø10×38mm、遮断容量30kA)
デメリットとメリット
Sanwa デジタルマルチメータ[CD771]のデメリットとメリットは、下記の通りです。
デメリット
●中国製
●多機能な反面、セレクトスイッチの切り替えがめんどくさいと感じることもある
●若干大きめで手に持っていると疲れることもある
●ブザー音が若干小さい気もする
●背面部分にテストリードの収納スペースがあるが、実際は使いにくいので持ち運ぶ際には、別売りの携帯ケースがないと不便
●バックライトは思っていたより暗いし、2秒以上ボタンを押して点灯させる方式で、他のボタンと兼用なので使いづらい
●真の実効値(AC)測定には対応していない
メリット
●多機能で手ごろな価格
●画面が大きいので見やすい
●測定には、オプション品(クランプなど)を使用することもできる
●バックライトが点灯するので暗闇でも測定できる
●スタンド付きなので卓上での作業がしやすい
●電池交換が楽な作り
別売りアクセサリと本体
●テストリード:TL-23a
●アリゲータクリップ:CL‐11,CL-13a,CL-15a,CL-DG3a,TL‐8IC
●クランププローブ:CL-22AD ,CL-33DC,CL3000
●高電圧プローブ:HV-60